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請求業務を効率化する方法4つ│請求業務が抱える課題やリスクも解説

請求業務を効率化する方法4つ│請求業務が抱える課題やリスクも解説

公開日:2022年11月28日 更新日:2024年6月18日

請求業務はミスが許されない業務です。取引先が多い場合は業務量も多くなるため、潜在的なリスクが増えます。肉体的・精神的な負担も大きいです。負担が大きい状態が長く続くと、ミスやトラブル等のリスクも増加するので要注意です。

改善するためには、請求業務を効率化するのが一つの切り札になります。この記事では、請求業務を効率化する方法について詳しく解説します。具体的に何をすれば業務が効率化できるか、リスクを軽減できるのかを解説しているので、ぜひ参考にしてください。

請求業務とは

請求業務とは、取引相手に対して代金を請求する業務です。請求書の発行が法律上義務づけられているわけではありませんが、商品やサービスを提供した側が請求書を発行し、相手に送ることが一般的です。請求書を送ることで、対価を受け取る権利を主張し、証拠・記録とすることができるようになります。従来、請求書は紙に印刷したものを郵送するのが一般的でしたが、近年はPDFファイルをメールやシステム上で送るケースも増えてきました。

請求書の発行から入金までの流れ

請求業務には、請求書の送付以外にもさまざまな業務が含まれます。ここでは、請求書の発行から入金までの一連の流れを、順を追って解説します。

請求金額を確定する

最初に、取引内容を元に請求金額を算出し確定させます。請求方法は請求する時期を基準にすると、締め請求と都度請求に分けられます。締め請求とは、1カ月など一定期間の取引金額を集計し、まとめて請求する方法です。一方、都度請求とは商品やサービスが購入されるたびに請求書を発行する方法を指します。初回の取引だったり、単発での取引だったりする場合は都度請求を行うことが一般的です。継続して取引をするうちに締め請求に移行するケースが多いですが、具体的な運用ルールは企業によって異なります。

請求書を発行する

請求金額が確定したら、請求書の発行に移ります。表計算ソフトで手入力したり、ソフトやシステムを通じて発行したりすることが一般的です。なお、請求書には以下の5つの項目を記載します。
・発行者の会社名
・取引年月日
・取引内容
・取引金額
・請求先の氏名や会社名

これらの項目以外にも、入金をスムーズに行ってもらうために以下の項目が記載されることがあります。
・請求書番号
・請求書発行日
・請求者の会社名・電話番号・住所・捺印
・合計請求額
・商品・サービス名(数量・単価・小計・消費税なども記載)
・合計金額・振り込み手数料
・振り込み先
・支払い(入金)期限

請求書を取引先へ送付する

請求書が完成したら取引先へ送付します。送付方法に関して、法的なルールは特段ありません。紙の請求書を郵送したり、請求書のPDFファイルをメールやシステムを通じて送付したりなど、企業によって送付方法はさまざまです。どのような方法であっても、ビジネス上のやり取りである以上、送付状や時候の挨拶文を添えて送ることが一般的です。メールやシステムを介してなら一瞬で請求書を送信できますが、郵送の場合は印刷や封入、あて名書きなどの作業に時間を要する点に注意が必要です。

入金確認を行う

請求書を送った後は入金確認を行います。所定の期日までに入金が行われているかを確認します。請求金額と入金額に差があった場合は、追加入金を依頼したり、返金したりするなどの対応が必要です。
一方、入金が行われていなかった場合は、まずは取引先に連絡し、状況を調べます。請求書が届いていなかったり、単に担当者が忘れていたりなどの理由ですぐに入金してもらえたなら、そこまで深刻な事態にはなりません。しかし一向に入金が行われないなら、取引先へ催促をする必要があります。請求どおり入金が行われないと、催促の対応にも時間が取られます。

消込処理を行う

入金が確認できたら、消込処理を行わなくてはいけません。入金が行われるまで、取引先への請求額は帳簿上、売掛金として管理されています。そのため、入金が確認でき次第、消込処理として売掛金としてのデータを消す作業が必要です。取引先が多ければ多いほど、対応しなくてはいけないデータも多くなるため、作業が煩雑になっていきます。顧客番号を入れ忘れたり、振込人名義が違っていたりなどのイレギュラーなことが発生すると、さらに確認で時間や手間を取られてしまうでしょう。当然、担当者の負担も大きくなります。

請求業務の効率化に向けた課題

請求業務を効率化するためには、まず課題を把握することが大切です。ここでは、効率化に向けた課題を挙げ、解決するためにはどのような対応が必要なのかを解説します。

請求書の発行・送付に時間がかかる

請求書の発行・送付を紙ベースで行っていると時間がかかるため、業務量の増大に対応できなくなる可能性があります。
請求書を郵送するには、請求先ごとに請求書を印刷し、あて名書きや封入をして送付するといった作業が発生します。取引先が多いとこれらの作業だけで数日を要することも珍しくありません。また、万が一送付ミスがあった場合は、取引先に電話で謝罪し、正しい請求書を送りなおす手間も生じます。 さらに、そのミスや過去の問題に対する再発防止策が積み重なり、より厳重なチェック体制やフローが発生することで担当者の負担が増えていきます。
発行する必要のある請求書の件数が多くなってきた場合は、従業員にかかる負担を減らすためにも早急に業務の効率化を検討しましょう。

請求書が電子化されていない

請求書が電子化されていない場合、請求業務に手間や時間がかかります。前述のとおり、紙ベースの請求書は取引先ごとに紙を印刷し、あて名書き、封入、郵送しなければなりません。時間とお金がかかる上に、人の手を介するためミスも発生しがちです。
できるだけミスが少ない状態で膨大な量の請求業務を処理するなら、システムの導入を検討しましょう。会計システムなどと連動させれば自動入力をしてくれる上に、取引先にもすぐに送信できます。ただし、コストがかかるため、費用対効果を見極めなければなりません。

取引先が多いほど作業量が増える

請求業務における作業量は、業種・業界・慣例に応じて差はありますが、基本的には取引先の数に比例します。 一般的には経理担当部署が請求業務を行っていることが多いですが、経理では請求業務以外にも多くの仕事をこなさなければなりません。急に取引先が増えた場合、人手不足で対応できない可能性も出てきます。
人手不足を解消するためには、人手を増やしたり業務を効率化したりするなどの対策が必要です。他の部署や外部から人員を補充できるなら問題ありません。しかし、すぐに人員の補充が難しい場合は、業務の効率化による対応が現実的でしょう。

特定の担当者に業務が偏りやすい

請求業務を含め、経理部門の業務は専門性が高く、特定の担当者に業務が集中しがちです。担当者が病欠、出張、休暇などで不在だと業務が進まず、作業が停滞しかねません。急に退職者が出た場合は特にリスクが高い状況になります。このような状況は、業務の属人化をなくすことで回避できます。請求業務のマニュアル化・簡素化を行い、特定の担当者でなくても業務を進められる体制を作りましょう。業務に使用するツールの数を極力少なくしたり、初心者が一通り業務をこなせる程度のマニュアルを作ったりなど、自社に合った方法を試してください。

入金管理に時間や手間がかかる

請求業務のなかには入金管理もあります。入金予定日までに取引先から入金があったかを調べ、請求金額と入金された金額が合っているか確認した上で入金消込を行い、過不足がある場合は取引先に連絡する作業のことです。取引先が多いと、作業を完了させるのに膨大な時間がかかります。特に、入金の消込処理を手作業で行っている場合は、担当者への負担が大きくなりがちです。業務の効率化と担当者の負担軽減のためにも、入金管理の自動化、システム化を検討しましょう。正確な照合が自動的に実行されるため、人的ミスも防げます。

請求業務で注意したいリスクとは

本来、請求業務はミスが許されないものです。しかし、請求業務ならではのリスクが原因で、ミスが発生するのは何ら珍しくありません。ここでは、重大なミスに直結するリスクについて解説します。

請求ミスによるリスク

担当者が請求書の金額を間違えたり、別の取引先に誤送信したりするなどのミスが起きるとトラブルの原因になります。特に、請求書の内容が外部に漏れた場合 、情報漏えいのリスクに加え、信用低下のリスク、人的・時間的コスト増大のリスクもあるため注意が必要です。
お詫びの連絡や再発行の手続きにも時間がかかるため、請求ミスが起きないように十分注意しなければなりません。担当者が注意して業務に当たることも重要ですが、まずはミスが起きにくい仕組みづくりをする方が効果的です。

業務量が増えるほどコストがかかる

業務量が増えるほどコストがかかることも、請求業務におけるリスクの一つです。ミスが許されない以上、ダブルチェックや承認は欠かせません。しかし、これらの業務を行う社員を確保しないといけない以上、人件費はかさみます。加えて、紙ベースで請求業務を行う場合、印刷や郵送のコストも看過できません。取引先が増えれば増えるほど業務量とコストがかさむため、業務の効率化で歯止めをかける必要があるでしょう。

法改正のたびに対応が必要になる

請求業務に関する法令は頻繁に改正されています。企業の法改正への対応が不十分だった場合、作業のやり直しや修正の手続きも必要になるため注意が必要です。法令違反により罰則を受けることもあるため、法令の改正に応じてこまめな対応をしなければなりません。
社内の人員が足りていて適時に十分な対応ができるなら問題ありませんが、対応が不十分な場合は抜けや漏れが生じがちなので気をつけましょう。

請求業務を効率化する4つの方法

実際に請求業務を効率化するには、どのような手順で進めていけばよいのでしょうか。ここでは、請求業務を効率化する具体的な方法として、4つの方法を詳しく解説します。

業務フローの見直し

まずは請求業務の流れを洗い出し、全体としての作業工数を可視化します。その上で、効率化できる業務はないかを検討してください。
なお業務を洗い出したら、ECRS(イクルス)の原則で業務を見直すとさらに効果的です。ECRS(イクルス)とは、次の4つを指します。

・排除(Eliminate):作業をなくしても問題がないか
・結合(Combine):作業をまとめられないか
・再配置(Rearrange): 作業の順序を変えて効率化ができないか
・単純化(Simplify):作業をもっと簡単にできないか

普段何気なく行っていた業務であっても、ここに挙げた4つの観点で見直すと改善点が見えてくるでしょう。

代行業者への委託

請求業務の負担を大幅に削減したい場合は、代行業者へ委託することも一つの方法です。従業員を増員する予定がなく、これまでの人員で業務を回さざるをえない場合は、解決に向けた切り札になります。代行業者によっても委託できる内容・範囲は異なりますが、一般的には以下の業務を委託することが可能です。

・与信審査
・管理
・請求書の発行、送付
・入金確認・消込
・督促

なお、代行業者は慎重に選びましょう。以下の点は必ずチェックすることをおすすめします。

・代行範囲
・手数料
・与信の通過率
・与信審査にかかる時間
・買い手企業にとっての使いやすさ
・サポート、オペレーションの質

実際に依頼する前に、複数の代行業者から説明を聞いたり、見積もりを取ったりしましょう。

ペーパーレス化

ペーパーレス化も、効率化を進める上では欠かせません。紙ベースでの請求書の発行・送付には非効率な点も多いです。印刷や郵送、ファイリングや整理整頓には費用や場所も必要な上に、件数が多くなれば従業員の負担もそれだけ増えてしまいます。しかし、電子データでの保存であれば場所も取らず、取引先にもすぐに送信することが可能です。必要なデータもすぐに検索できるので、ファイルを探し回る必要もありません。なお、改正電子帳簿保存法が2022年1月1日から施行され、請求書を含めた電子取引データの保存要件が大幅に緩和されました。従来必須だった税務署への届出が不要になるなど、ペーパーレス化を推し進めやすくなっています。

システム化

大幅に効率化を推し進めたいなら、システムの導入も検討しましょう。改正電子帳簿保存法に対応したシステムを導入すれば、法改正にもスムーズに対応できます。
請求書の発行や送付の業務がシステム上で完結することにより、人為的ミスをゼロにすることが可能です。さらに、以下のようにメリットもあります。

・取引先への請求書送付にかかる時間を大幅に短縮できる
・会計システムなど他の業務システムとの連動でデータ入力を効率化できる
・紛失のリスクが低いため、再発行依頼も大幅に減らせる

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コクヨの電子帳票配信システム『@Tovas』を導入したブラザー販売株式会社様では、請求書や請求関連明細書などの郵送作業を自動送信のメール通知に切り替えることで、作業時間の約70%、年間費用の約50%など大幅なコストカットが実現しました。

これまでは月末締めの翌4営業日は、誤請求や誤発送が許されない状況でピリピリとした雰囲気で作業をしていた中、導入後は1営業日でほとんどの作業が終わることができました。また、自動化が進んだこともあってヒューマンエラーの減少にも貢献したとお声をいただいています。

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まとめ

一口に請求業務といっても、請求書の発行や送付、入金確認、消込処理など、さまざまな作業をこなさなくてはいけません。取引先が多いほど業務負担も重くなり、コストが増大する上に、従業員にも負担がかかります。少ない人員で業務を回している場合は特に深刻な問題になるでしょう。請求業務を効率化して、請求ミスやコスト増大、法改正のリスクに備えるのが、1つの解決先として機能するはずです。
電子帳票配信システム『@Tovas』では、請求書の送付をWeb上で行うことができます。請求書の印刷や送付にかかる人為的なミスをなくし、工数やコストの削減 にも非常に効果的なサービスです。請求業務効率化のために、ぜひ導入をご検討ください。

@Tovasマーケティング担当(コクヨ株式会社)

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