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ケース別!請求書の再発行をする際の注意事項と対処策を解説

ケース別!請求書の再発行をする際の注意事項と対処策を解説

公開日:2023年2月16日 更新日:2024年6月12日

取引先が書類を紛失した、発行した請求書の内容に不備があったなどの理由から請求書を再発行するケースがあります。今回は請求書を再発行する場合の手順と注意点について解説します。
請求書を再発行したときは二重請求を防ぐため原本と区別をつける他、案内状を添付することで受け取り先の混乱を防ぐことも重要です。再発行が必要になった状況ごとに解説しますので、請求書の発行が必要になったときに役立ててください。

請求書の再発行とは

請求書の再発行はあまり頻繁に起きることではありませんが、どこかのタイミングでミスが起きることはありえます。再発行が必要なケースについて具体的に確認しましょう。

請求書を再発行することは可能なのか

結論から言えば、請求書を再発行することは可能です。しかし請求書は社内だけでなく取引先の会計にも関わる重要な書類であることから、再発行には相応の手順を踏んだり謝罪の気持ちを伝えたりする必要があります。トラブルの種とならないよう、慎重な対応を心がけましょう。請求書を再発行する状況にはいくつかのパターンがありますが、中でも社内のミスで再発行を依頼する場合は注意が必要です。再発行の手続きを事前に確認し、万が一トラブルが発生しても冷静に対処しましょう。システムなどを活用し、そもそも人的なミスを減らすことも一つの手段です。

請求書を再発行する主なケース

請求書を再発行するケースは、取引先・社内・それ以外の3つの理由に分かれます。

・取引先の理由(例:請求書を紛失した、社内での連携に不備があった)
・社内の理由(例:内容に誤りがあった、事前の見積書と相違があった)
・それ以外の理由(例:双方同意のもと支払い方法を変更するなど)

社内が原因の不備であれば気付づいた時点で迅速に連絡を入れましょう。仮に取引先の不都合によって請求書を再発行する場合でも、同じように速やかな対応をすることが信頼関係の構築につながります。また請求内容の変更を口頭やメールなどで代用することは避けたほうがよいでしょう。請求書に書いてある内容はシンプルですが、取引を記録するという観点から一定の書き方に則って証拠を残す必要があります。

【ケース1】請求書紛失のため再発行を求められた場合

まずは請求書を紛失したなど、先方に原因がある場合の再発行について確認します。仮にこちらに不備がない場合でも迅速な対応が求められます。また対応のしかたを誤って新しいトラブルを起こさないためにも、以下で具体的な対処策などをチェックしましょう。

再発行の対処策

まず先方から請求書の再発行を依頼された場合、手元にある控えと共有された情報を照らし合わせて請求内容を特定します。同じ企業に複数の請求書を送っている場合は請求書番号での確認も有効です。したがって控えは先方に送ってすぐに保管庫に移すのではなく、このような不備に備えて入金が完了するまでは手元に置いておくとよいでしょう。請求情報を確認し、内容に相違がないことを再度確認してから再発行します。再発行した請求書には目立つ位置や備考欄に再発行である旨を明記します。万が一、元の請求書が見つかった場合に二重請求となってしまわないよう、再発行請求書であることが分かるようにすることが大切です。最後に案内状を同封して先方へ送ります。

案内状の例文

請求書を再発行する際は内容を明らかにするため必ず案内状を添付します。再発行した請求書の方だけでなく案内状にも再発行であることを記載し、取り違えを防ぎます。以下に案内状の例文を紹介しますので、参考にしてください。

タイトル:○月分請求書再発行の件

○○株式会社 ○○様(担当者名)

日頃よりお世話になっております。
先日お問い合わせいただきました○月分の請求書についてです。
再発行したものを同封いたしますので、その旨ご報告いたします。
なお、紛失された請求書がお手元にありました場合は大変恐れ入りますがそちらを破棄いただき、再発行の方にお差し替えいただけますと幸いです。

支払期限日までに、以下の銀行口座へご入金をお願いいたします。

○○銀行 ○○支店 当座 (口座番号) 株式会社○○

再発行する際の注意事項

先方の要請で請求書を再発行する場合、元の請求書が見つかった際に二重請求とならないよう必ず注意書きを入れます。請求書そのものに記載することも大事ですが、送付状にも合わせてその旨を書き入れます。再発行した請求書を電子データで送る場合は、メールの件名に【再発行】と記載すると分かりやすいです。また相手に依頼されたからといって尊大に振る舞ったり過剰に反応したりしないようにします。誰しも起こりうるミスなので相手の心情に配慮した対応が必要です。最終的に正しい入金が期日までに行われているかを確認できれば、再発行への対応は終了です。

【ケース2】請求書の誤りに気付いて再発行する場合

次は、こちらで発行した請求書に誤りがあった場合の対処法について確認します。チェック体制の不備・確認不足などの理由により請求書にミスが見つかった場合、まず最優先で先方に謝罪しましょう。その後の対応が先方からの心証を左右しますので、トラブルにならないように以下の対応を参考にしてください。

再発行の対処策

発行した請求書にミスが発覚したら早急に相手方へ連絡を入れます。まず誤りがあったことを謝罪し、すぐに再発行する旨を伝えます。連絡は遅くなればなるほど入金や社内処理のトラブルにつながるため、スピーディーな対応をしなければなりません。次に正しい内容で改めて請求書を再発行します。このとき、再発行であることをしっかり明記します。こちら側がミスをした場合は、先方が紛失した場合とは異なり取引先の手元に請求書が2枚あることになります。ミスを詫びると同時に、取り違えがないよう案内状やメールの文面でも念を入れて伝えることが大切です。紙の請求書であれば作成から到着までどれほど急いでも1営業日はかかりますが、電子データで送付すれば短時間で完了する可能性もあります。ミスの防止にもつながりますので、帳票管理システムなどを導入してトラブルに備えることもおすすめです。

案内状の例文

他の事例同様、請求書を送る際は送付状も添付します。今回はこちらの不手際ですので、まずは真摯に謝罪することが大切です。

タイトル:○月分ご請求書の件

○○株式会社 ○○様(担当者名)

日頃よりお世話になっております。
さっそくではございますが、先日お送りいたしました請求書番号○○○-○○○の一部内容に誤りがありましたことをお詫び申し上げます。つきましては、当該内容を修正した請求書を同封させていただきます。

なお、同封する請求書は再発行となります。大変恐れ入りますが以前お送りした請求書は破棄いただき、こちら再発行の方にお差し替えいただけますと幸いです。

また大変恐縮ではございますが、支払期限日までに以下の銀行口座へご入金をお願いいたします。

○○銀行 ○○支店 当座 (口座番号) 株式会社○○

再発行の注意事項

大前提として、請求書を発行する際はミスを起こさないことが肝心です。送付前の二重チェックを徹底する、送付後も定期的に内容を照らし合わせるなど、ミスを防げる環境づくりを日頃から意識しましょう。帳票管理システムであれば基準に沿わないものを弾くことができます。ヒューマンエラーを減らし、請求業務の効率化にもつながるため、導入を検討してみましょう。もし誤った請求書を送ってしまった場合、訂正の連絡が遅れると相手が誤請求に気づかないまま入金処理をしてしまう可能性もあります。また再発行した請求書にさらなる不備があればもう一度先方に手間をかけさせてしまいます。取引先からの信頼関係を失う一因にもなることから、さらなるミスは発生させないこと、気づいたらすぐに対応することを心がけます。

【ケース3】相手から請求書の誤りを指摘された場合

先に挙げた2件よりも真摯な対応が求められるケースが、相手から請求書の誤りを指摘された場合です。基本的にはケース2と同様の流れですが、限られた時間の中で先方の指摘内容を正確に把握する必要があります。

再発行の対処策

相手から請求書の不備を指摘された場合、まずは手元にある控えと照らし合わせて内容を確かめます。請求書そのものの内容にミスがなくても、事前に伝えた見積書と相違や変更があるかもしれません。控えだけでなく適宜別の情報も照らし合わせる必要があります。先方の誤認だった場合や、見積書からの変更について伝えていなかったなどの場合は、メールや郵送で事情と確認結果について丁寧に伝えます。一方、先方の指摘どおり請求内容に誤りがあった場合は謝罪の連絡を入れます。連絡は誤りの有無にかかわらず速やかに行うことが肝心です。もし確認にしっかり時間を割きたい場合は、○日の午前までなど期日を決めて一度進捗を伝えるようにしましょう。

案内状の例文

指摘を受けたとおり請求書に誤りがあり、再発行するときは案内状を同封します。誤りがあったことを謝罪することはもちろん、再発防止に努める誠意を伝えます。

タイトル:○月分ご請求書の件

○○株式会社 ○○様(担当者名)

日頃よりお世話になっております。
先日お問い合わせをいただきました請求書番号○○○-○○○の件です。当社で確認を行いましたところ、お問い合わせのとおり一部内容に誤りが確認されました。
このたびはこちらの不手際により多大なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
つきましては、当該内容を修正した請求書を同封させていただきます。

なお、同封する請求書は再発行となります。大変恐れ入りますが以前お送りした請求書は破棄いただき、こちら再発行の方にお差し替えいただけますと幸いです。

また大変恐縮ではございますが、支払期限日までに以下の銀行口座へご入金をお願いいたします。

○○銀行 ○○支店 当座 (口座番号) 株式会社○○

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再発行の注意事項

相手から指摘を受けると、ついこちらに非があると感じるかもしれません。しかしまずは冷静になり、指摘が正しいかどうかを客観的に把握します。もし先方の勘違いや行き違いであれば、起きてしまった経緯や今後の対応について丁寧に伝えることが大切です。そして実際に不備があった場合は早めに謝罪の連絡を入れます。このとき、再発行する請求書にも注意が必要です。他のケースと同様に再発行であることを強調することはもちろんですが、指摘によってミスが発覚した場合はさらにミスを重ねると会社の信用問題にも関わります。誤記がないか今まで以上に入念に確かめましょう。

【ケース4】入金済みの請求書に誤りがあった場合

入金後に請求書のミスが発覚した場合、差額を処理する必要があります。処理方法や先方への連絡後の流れを確認しましょう。

再発行の対処策

請求書の誤りに気付いた時点で入金処理が完了していた場合、差額をすぐに返金してはいけません。もし先方がまだ誤記に気づいていない場合、用途や由来の分からない入金になってしまうためです。まずは誤請求を起こしてしまったことを先方に伝えましょう。請求書に誤りがあれば今までの事例と同様に修正版を作成し再送します。過剰に入金されてしまった差額の処理方法は双方協議の上で決定します。詳しい対応法はのちほど具体的に説明しますので、そちらも確認してください。

案内状の文例

過剰請求があった場合、ミスに対する誠実な謝罪だけでなく返金の方法や今後の再発防止策についても具体的に連絡します。

タイトル:○月分ご請求書の誤記載について

○○株式会社 ○○様(担当者名)

日頃よりお世話になっております。
先日発行いたしました請求書番号○○○-○○○ですが、請求金額の総計に誤りがあることが判明いたしました。詳しくは以下のとおりです。

誤:○○○○円
正:○○○○円

つきましては、当該内容を修正した請求書を同封させていただきます。また過剰に入金いただいた金額は○月末に返金手続きを実施いたします。
このたびは多大なご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。
本件を教訓としてチェック体制の強化に努め、今後はこのような不備が起きないよう徹底した対策を進めていきます。

なお、同封する請求書は再発行となります。大変恐れ入りますが以前お送りした請求書は破棄いただき、こちら再発行の方にお差し替えいただけますと幸いです。

再発行の注意事項

請求書を再発行する際の基本的な注意事項は今までの事例と相違ありません。

・発覚した時点でなるべく早く連絡する
・謝罪の気持ちを伝える
・二重請求が起きないよう既存の請求書を破棄してもらう
・再送時にミスを起こさないようにダブルチェックを徹底する

この他、返金の方法については最初の謝罪の時点で取引先と決めておきます。基本的には先方の指示した手段に従い、待たせることがないよう入金対応もすぐに行いましょう。

返金への対応

過剰請求を返金するには銀行振り込みの他に現金書留、手渡し、次回の請求書から相殺する方法などが挙げられます。返金を行う側と受ける側のそれぞれの観点から注意事項を確認します。

・返金する側

具体的な返金方法は原則として先方の指示に従いましょう。振込や現金を希望された場合は送金の内訳や具体的な金額が分かるように返金明細書を同封します。このとき手数料がかかる場合は返金側(過剰請求を行ってしまった側)が受け持ちます。

今回以降も継続して取引を行うなら、次回以降の請求書と過剰請求を相殺することも可能です。この場合は先方に許可を取り、相殺する請求書に金額と備考を記載します。

・返金を受ける側

過剰請求の連絡があれば、社内の規定を確認した上で適切な返金方法を先方に伝えます。正しい請求書が届いた時点で内容を確かめ、問題がなければ過払い分の返金を受けます。振込や現金での返金を指定したときは、入金処理をスムーズに行うために明細も送付するとよいでしょう。次回請求書と相殺する場合は請求書をもらった時点で相違がないか確認します。日頃から受け取った請求書を適切にチェックすれば、過剰請求が起きる確率を減らせます。相手のセルフチェックに頼りすぎるのではなく、社内でも請求内容に誤りがないか目を通すことが大切です。

請求書の再発行を防止するための対策

請求書の再発行は手間と時間がかかるため、防止策をとることが大切です。ここでは請求書を発行する側の原因と対策について解説するので、再発防止のためにぜひ参考にしてください。

請求書紛失の原因と対策

請求書を紛失する主な原因は、届いた郵便物をすぐに開封しなかったため封筒ごと廃棄してしまった、開封した書類を適切な場所で保管しなかったことなどが挙げられます。また昨今では在宅勤務を導入する企業が増え、オフィスに届いた請求書の受け取り忘れが発生するケースもあるようです。先方がこうしたうっかりミスを起こさないよう、まず請求書を送る封筒には請求書在中と明記します。初めての取引先であれば請求書を送ったあとにメールや電話でその旨を伝えると効果的です。また先方が大企業の場合は会社名だけでなく部署名や担当者名もしっかり明記します。送り主である自分の住所に不備があると到着が遅れるおそれもあるため、こちらも注意が必要です。またメール機能や帳票管理システムを経由して電子化した請求書を送る方法もおすすめです。請求書を電子化して送ることで、送信履歴の確認ができる他、先方が請求書を開封(ダウンロード)したかを確認することもできます。さらに請求書が到着するまでのタイムラグも最小限に減らすことが可能です。

誤請求の原因と対策

誤請求は請求書の記載ミスによって発生します。社内のチェック体制を強化してミスの再発防止に努めましょう。具体的な方法としては送付前に複数人で目視する、週に1度など期間を決めて請求書の内容を再確認するなどが挙げられます。新入社員でもミスなく請求書を仕上げられるよう、作成マニュアルを整備することも大切です。こうした防止策は個人の努力では足りない面もありますので、会社や部署を挙げてワークフローを見直しましょう。なお紙に手書きで請求書を作成するとミスが発生しやすくなるだけでなく、修正や再発行にも時間がかかります。エクセルや帳簿システムなど、デジタルツールを活用すると作成の負担を大きく減らせるでしょう。

【企業事例:株式会社せんにち様】請求書のペーパレス化で生産性を向上し、コスト削減と誤送付の防止を実現

株式会社せんにち様は、請求に関わる経理業務の細かい作業や管理をダブルチェック体制でミスを防止していましたが、毎月30時間程かかっていました。

コクヨの電子帳票配信システム『@Tovas』を導入した結果、毎月1000ページ以上の請求書を電子化の上、発行業務の自動化をすることで経理業務を大幅にコスト削減、トラブルを抑制できました。

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まとめ

さまざまな事情から請求書を再発行する場合、先方には丁重に連絡すると同時に二重請求にならないよう細心の注意を払います。取引に直接関わりのない経理担当者が見ても分かるよう、再発行の旨を明確に表記することが大切です。請求書の再発行件数を減らすには、社内のチェック体制を強化する他にもシステムを導入して記録を残すことやシステマティックに確認してもらうことも有効です。コクヨの電子帳票配信システム『@Tovas』なら、請求書をWeb上で送れるため紛失や送付ミスなどの防止につながります。さらに郵送で再送すると届くまでにどうしても時間がかかりますが、電子化して送付すれば郵送と比べて短時間での送付が可能です。請求業務の効率化やミスの低減を目指す場合は、ぜひ導入をご検討ください。

@Tovasマーケティング担当(コクヨ株式会社)

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